国立代々木競技場耐震改修基本計画業務

 プロポーザルで入選し、川口衞構造設計事務所の協力事務所として建築(意匠)担当主任技術者を務めたプロジェクト。代々木体育館の愛称で親しまれている本施設は、1964年東京オリンピックの為に国立屋内総合競技場として竣工。第一体育館は水泳、第二体育館はバスケットボール競技の会場として計画された。また、オリンピック後も様々なスポーツの国際大会から学校の体育祭まで総合的なスポーツ会場として活用されている(コンサート会場としての人気も高い)。2020年東京オリンピック/パラリンピックでは、ハンドボール/ウィルチェアーラグビーの会場として、2度目のオリンピックを迎える。

 本プロジェクトの命題は、形態/構造的な特徴及び施設機能を保存し、且つ効率的な耐震補強を計画する事。形態と機能が完全に一体化している特殊な建築である為、何かを付け加える余幅が少ない中で計画は進められた。それでも全体的に命題に沿った耐震改修基本計画が作成できたのは、原設計当時に建物へ与えられた力強さと、これまで丁寧にメンテナンスを続けてこられた維持管理の賜物だと思う。

 著:丹下健三「建築と都市」の中で「国立屋内総合競技場の経験」の稿は次の言葉で締めくくられている。

 

私たちは、これらの施設が、国民体育とスポーツのセンターとして、

末ながく活用されることを祈ってやまない。

 

 

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