2000年に茨城県取手市で行われたアートプロジェクト。テーマは「家・郊外住宅」。市内にある空家の中から都市計画道路内に建つ古い木造住宅を選定し、そのど真ん中に大きな風穴を開けました。(山㟢一也と共作)
都市計画道路が拡張時に、この木造住宅は解体撤去される。当時、周辺建物が既に建替えを終え、道路拡張に備えセットバックしている中で、この木造住宅だけが取り残された状態でした。ここに道路拡張後の未来の風景を作ろう!そうすれば取手市の今が見えてくるのではないか?と、二人で会話を繰り返しながら手作りした記憶があります。
後日談として、2012年に現地を訪れました。そこでは、木造住宅の跡地から江戸時代の痕跡が出土し、発掘作業が行われていました。この作品は、過去・現在・未来を見つめる体験そのものであったと思います。
日本藝術の創跡 vol.22 佐藤道信「東京芸術大学の130 年──日本から世界へ」に掲載
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